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別居婚で離婚するには?手続き方法や離婚時の注意点について

別居婚で離婚するには?手続き方法や離婚時の注意点について

近年、婚姻関係にあっても同居の形態にとらわれず、別々に暮らす別居婚を選択する夫婦が増えています。

しかし、このような新しい夫婦のかたちを取り入れても、“コミュニケーション不足”や“不倫や浮気をしやすい”といった理由から離婚をする夫婦が多いのも実情です。

別居婚で離婚をお考えの際は、同居している夫婦の離婚とは異なる点があるため、注意が必要です。

この記事では、別居婚が離婚につながりやすい理由や離婚する際に気を付けることなどについて解説していきます。

別居に関するお悩みは弁護士にご相談ください

別居婚の夫婦は離婚率が高い?

別居婚とは、法律上婚姻関係にありながら、夫婦が同居せず別居を続ける夫婦関係のあり方を指します。

“生活スタイルを変えたくない”“仕事を優先したい”などの理由から別居婚を選択する夫婦も増えているようです。

別居婚の離婚率については、正確なデータはなく、別居婚だから離婚率が高いとは一概にはいえません。

令和4年人口動態総覧(厚生労働省)によると、令和4年の婚姻件数は50万4878組であるのに対し、離婚件数は17万9096組となっています。

この結果から、およそ3組に1組の夫婦は離婚するといわれており、別居婚に限らず近年ではより離婚が身近なものになっていることが分かります。

別居婚のメリットとデメリット

別居婚のメリットとデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。詳しく見ていきましょう。

【メリット】

  • いつまでも新鮮な気持ちでいられる
  • 相手の良さを感じたままでいられる
  • ストレスを感じにくい
  • 趣味や仕事に集中できる
  • 束縛されず自由でいられる
  • ケンカしたとしても気持ちを整理しやすい

【デメリット】

  • 浮気や不倫をする心配がある
  • 生活費が増える
  • 子供がいればワンオペ育児になる

別居婚は相手との距離があることでメリットもデメリットもあることが分かります。

メリットを見るといつまでも恋人のように新鮮さをもって相手と接することができますが、子供ができれば一方の配偶者が大変な思いをしてしまう可能性があります。

別居婚が離婚につながりやすい理由

別居婚は同居婚の夫婦と異なる点も多く、別居婚だからこそ離婚につながりやすい理由は複数あります。
別居婚が離婚につながってしまう理由には、次のようなものが挙げられます。

コミュニケーションが不足し、すれ違いが生じやすい

同居している夫婦であれば、自然と会話が生まれコミュニケーションが取れます。

ケンカをしたとしても同居していれば嫌でも顔を合わせることになるため、コミュニケーションを取り、ケンカが長引くことを避けられます。

一方、別居婚ではお互いに連絡ツールを使わなければ連絡を取る機会が無く、コミュニケーション不足になりやすいでしょう。

ケンカした場合にも、連絡を取らなければ長引いてしまいますし、徐々に連絡や会う頻度が減っていくと、すれ違いが生じやすくなり離婚に発展するケースもあります。

不倫や浮気をしやすい

別居婚は同居婚に比べ、時間に自由があり不倫や浮気がしやすい環境といえるでしょう。

また、一緒に住んでいれば配偶者のちょっとした変化に気付くこともできますが、別居婚ではそうした変化に気付かず、不倫や浮気がバレる可能性が低いことも挙げられます。

こうした理由から、不倫や浮気のハードルが低く独身時代の延長のような気持ちで不倫や浮気をしてしまうケースもあります。

子供ができにくい

別居婚でも子供を持つことは可能ですが、別居婚よりタイミングを計ることが難しいでしょう。

子供をつくることを決めたとしても夫婦で時間を合わせる必要があるため、同居婚よりも積極的に妊活を行えない可能性があります。
また、子供に対する考え方の違いから離婚に発展するケースも少なくありません。

結婚する意味を感じにくい

別居婚では、お互いが会いたいときに会ったり、週末だけ会ったりと、恋人時代と変わらないと感じてしまう方もいます。

結婚したのに一緒に住まない生活は、交際時と生活に変化がなく、結婚した意味がないのではないかという思考に陥り、離婚に至ってしまうケースもあります。

特に相手が別居婚を望んだため別居婚をしているというように、別居をさほど望んでいない側の気持ちが冷めてしまう可能性もあるでしょう。

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別居婚で離婚する際に気を付けること

合意に基づく別居は「法定離婚事由」にはならない

別居婚のように、夫婦の合意に基づく別居は法定離婚事由にはなりません。
法定離婚事由とは、民法で定められた、離婚が認められる事由のことです。(民法第770条)

同居婚の夫婦が離婚を前提に長期間別居をしていると、「婚姻関係を継続し難い重大な事由がある」として、法定離婚事由に当てはまり、裁判で離婚が認められる可能性があります。

しかし、別居婚はお互いに別居して婚姻関係を継続することに合意しているので、別居で法定離婚事由を認めてもらうのは難しく、別居婚で離婚を目指す場合には、離婚を目指す別居であることを明確にする必要があります。

別居婚では不貞行為の証拠を確保するのが難しい

不貞行為(浮気・不倫)を原因として離婚を請求する場合は、配偶者がほかの人と肉体関係を持ったという証拠を確保する必要があります。

しかし、別居婚では配偶者が普段どのような生活を送っているのか、交友関係など生活状況の把握が難しい場合があります。

そうなると、不貞行為の十分な証拠を確保できず、配偶者が不貞行為を否定し、離婚を否定した場合、離婚は認められず慰謝料の請求も難しい可能性があります。

ご自身で証拠を集めることが難しい場合は、まずは弁護士に依頼しましょう。今の証拠では不十分なのか、どんな調査を行えばいいかアドバイスをもらえるだけでなく、探偵を紹介してくれることもあります。

別居婚で離婚を切り出されたときの対処法

別居婚で配偶者からいきなり離婚を切り出された場合、混乱してどのように対処すればいいか分からなくなってしまう方も多いでしょう。

離婚を回避するだけでなく、離婚問題に適切に対応するためにも、冷静に対処することが大切です。

①理由を聞きだす
まずは離婚したい理由を聞きだすことから始めましょう。理由によっては対処して離婚を回避することができる可能性もあります。
②会う頻度や連絡回数を増やしてコミュニケーションをとる
別居婚からの離婚が起こりやすい原因の1つは、コミュニケーション不足です。別々に住んでいるからこそ連絡をマメにして、会う回数を増やしましょう。
③弁護士に相談する
離婚理由を聞いても本当の理由を教えてもらえない場合や、自分では対処できないといった場合は離婚に詳しい弁護士に相談し、今後の見通しを立てると良いでしょう。

別居婚で離婚する方法

別居婚で離婚する手順は、基本的に同居夫婦と変わりはありません。 離婚の手順は以下のように進みます。

  • 協議離婚
    ⇒夫婦の話し合いで離婚や離婚条件について話し合うことです。弁護士を代理人とすることもできます。
  • 離婚調停
    ⇒協議離婚では話がまとまらない場合に、家庭裁判所の調停委員を介した話し合いによって解決を図る手続きです。
  • 離婚裁判
    ⇒調停不成立の場合に、証拠や主張をもとに離婚事由があるか、離婚できるかを裁判官が判断します。

別居婚で離婚する際に決めておくこと

別居婚での離婚は、同居婚の夫婦が離婚する場合と離婚条件が異なる場合があります。 以下の離婚条件について確認していきましょう。

財産分与

財産分与婚姻中に夫婦が共同で築き上げてきた財産を離婚時に分配することです。別居婚であっても、離婚時には配偶者へ財産分与を求めることができます。

しかし、別居婚では、「それぞれが自身で生計を立てて、お互いには頼らないと婚姻前から合意していた。だから夫婦が築き上げた財産は何もない」ということも十分にありえます。

このような場合で財産分与を求める場合は、財産形成についてどのように協力したのか、具体的に主張・立証していく必要があるでしょう。

慰謝料

配偶者が離婚の原因を作った場合は、精神的苦痛に対し、慰謝料を請求することができます。
例えば、別居中でも貞操義務はあり、配偶者の不倫が原因で離婚に至った場合は、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求できます。

しかし、別居の場合は不法行為があったとしても証拠を集めることが難しく、適切な金額の慰謝料を受け取れない可能性もあります。

証拠の集め方や適正な慰謝料額については、弁護士にご相談ください。

親権

夫婦の間に未成年の子供がいる場合は、離婚時に親権者を定める必要があります。
親権とは、未成年の子供が経済的・社会的に自立できるよう育て上げるために、親に認められた権利・義務のことです。

親権は、親が子供と暮らしたい気持ちよりも子供にとってどちらと暮らす方がより幸せかということが重視され、子供の生活環境をできるだけ変えないため、一緒に暮らしていた側が親権を取ることが多くなります。

また、例えば「不倫をしてしまった」といった有責配偶者であっても、親権を取ることができます。 親権については、一度弁護士にご相談ください。

養育費

別居婚で離婚しても、子供と同居していない親には養育費の支払い義務があります。

  • 養育費とは
    子供の監護・養育に必要な費用のことです。未成年の子供が経済的・社会的に自立するまでに必要な費用であり、衣食住・教育費・医療費などが当てはまります。

離婚をして、一緒に暮らせなくても、当然に親子関係がなくなるわけではありません。

そのため、子供と同居していない親は離婚後にも未成年の子供の監護にかかる費用(養育費)について分担する義務があります。

面会交流

別居婚でも同居婚でも、離婚後に子供と別居する親は子供に会う権利があります。

面会交流とは、離婚後に子供と別居する親が子供と一緒の時間を過ごしたり、文通やメールのやり取りをしたり交流を持つことです。

定期的な面会交流をすることで、子供は両親のどちらからも愛されていると実感でき、子供の健やかな成長につながるでしょう。
面会交流を円滑に進めるためにも、離婚時に面会交流について取り決めておくことが大切です。

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別居婚の離婚について弁護士に依頼するメリット

別居婚で離婚問題が持ち上がるときは、すでにコミュニケーションがうまく計れておらず、話し合いが拗れていることが予想されます。

また、別居婚での離婚は、財産分与や慰謝料など同居婚とは考えの異なる離婚条件もあるため、双方が納得いく離婚条件について話し合うことは難しいでしょう。

離婚に詳しい弁護士であれば、別居婚での財産分与、慰謝料の算出の仕方にも慣れていますし、親権についても味方となって相手方と話し合いを進めてくれるでしょう。

離婚問題は、精神的にも負担が大きくなってしまう部分が多くあります。
おひとりで悩まず、まずは弁護士にご相談ください。

離婚問題を弁護士に依頼するメリット

別居婚夫婦の離婚に関するQ&A

別居婚と同居婚では離婚手続きに違いはありますか?

離婚の手続きについて、別居婚でも同居婚でも大きな違いはありません。
離婚するには、まずは夫婦の話し合いをして、決着がつかなければ家庭裁判所の手続きを利用することになります。

ただし、離婚条件については、別居婚と同居婚と違う考え方をする部分もあります。

例えば、財産分与では、婚姻中にお互いが協力して築き上げてきた財産が対象となりますが、別居婚ではそれぞれが自分のお金で生計を立てていた場合、財産分与できるものがないというケースも考えられます。

別居したら何年で離婚できますか?

同居婚の夫婦が離婚を見据え、長期間別居していた場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」として裁判で離婚が認められる可能性もあります。

しかし、婚姻時から別居している別居婚では、夫婦関係が良好なときに夫婦で合意した「別居」であるため、法定離婚事由には当てはまらない可能性が高まります。

そのため、別居婚の方が離婚を考えた別居をするときは「これからは離婚を考えた別居である」と宣言するなどして、離婚を目指す別居であることを明らかにすることが重要です。また、離婚を目指す別居期間は3~5年ほどあると良いでしょう。

別居婚で離婚する場合、婚姻費用は請求できますか?

双方が合意したうえで別居をしている別居婚では、自分の稼ぎでご自身の生活費を全て賄い、相手には請求しないという暗黙の合意がある場合がほとんどでしょう。

その場合、夫婦の間に収入差があっても、婚姻費用の分担を請求するのは難しいでしょう。

ただし、配偶者の一方が病気になった、子供が生まれたなどの理由により収入が減ったような場合には、事情の変更があったとして、婚姻費用を請求できる可能性があります。

別居婚の離婚についてお困りならぜひ弁護士にご相談ください。

別居婚には、たくさんのメリット・デメリットがあり、それを踏まえたうえで別居婚を選択する夫婦も増えてきています。

しかし、「ずっと一緒にいる」と誓った夫婦でも、ある時から離婚を考えてしまう場合もあるのです。
別居婚の離婚では、離婚条件について決める際に同居婚の場合とは考え方が異なり、揉めてしまう可能性もあります。

別居婚の離婚については、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
私たちは、ご相談者様の未来を考え、不利な離婚条件とならないように尽力いたします。

また、弁護士はご相談者様の代理人として相手方と交渉していくため、ご相談者様の負担が軽減されます。

別居婚でお困りの際は、まずは一度無料相談を活用し、私たちにご相談ください。

 

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弁護士法人ALG 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。